ファン・ゴッホ ー僕には世界がこう見えるー

インテリア

こんにちは。インテリアデザイナーの小林由梨奈です。

角川武蔵野ミュージアムでやっている、デジタルゴッホ展『ファン・ゴッホ ー僕には世界がこう見えるー』に行ってきました^^

自分が絵の中に入ってしまって、五感のすべてで作品に包み込まれるような感覚を体験できる展示。
至福のひとときでした✨

角川武蔵野ミュージアムのレポートはこちら↓


ゴッホの作品と人生に没入するドラマティックな臨場感

『麦わら帽子を被った自画像』1887年

約30分間のインスタレーションの中で、ゴッホの作品数百点が1100㎡の空間の面という面に入れ替わり立ち替わりアクティブな映像として映し出され、耳馴染みのあるクラシックの楽曲とともにドラマティックなストーリーで繰り広げられます。

床面にまで映し出されているから、本当に絵の中に自分が入ってしまったみたい^^
(天井は救いようがないくらい隈研吾。ゴッホと隈研吾コラボレーションしてた笑。)

作品にだけでなく、まるで彼の人生そのものに没入している心地のする30分間で、追体験するにはあまりに濃厚なゴッホの生きた37年間を30分で駆け抜けるような、ダイナミックな疾走感&臨場感><

ドキュメンタリー映画を、自分が主人公になったつもりで観たような感覚でした。

『ヒバリの飛び立つ麦畑』1887年

これはなんていう作品かな?

これはゴッホの作品じゃなくて、場面転換に差し込んだ映像ディレクターのアートかな?

分からないけど凄く好き。この柄のドレス着たい。

床面を大きく写すと、本当にこの絵の中に自分が浮かんでいるみたい。抽象画だと余計にそういう印象に撮れますね^^

『刈る人のいる麦畑と太陽』1889年

私ももはや”狩る人”じゃない🤣?

星の王子さま感あるな笑

『ひまわり』1888年

『アイリスのある花瓶』1890年

右の青い花はアイリス。左のはなんて作品かな。

『星月夜』1889年

これもだいぶ星の王子さま感ある笑
ワイドパンツで空に浮かぶ天体見上げると、星の王子さま感出ますね^^

星の王子さま大好きだから少し嬉しい🤗


クラシック音楽とのコラボレーション&素敵な場面転換

『糸杉のある小麦畑』 1889年

30分間のインスタレーションは絶え間なく上映されているのでどこがスタートでどこがエンディングなのか分からない流れなのですが

私が入ったタイミングがちょうどゴッホの肖像画が複数映し出されているところで。

それから(たぶん初期の頃の?)あまり色のない作品からじわじわと色づいていって、色彩ゆたかな花盛りのクライマックスをすぎたあと、夜の神秘に包まれて、晩年(と言っても亡くなった歳が今の私と1歳しか変わらないけど)を過ごした病院へ、、

みたいな流れだったと思います。

(写真はいくらでも撮れるけど、動画は撮影不可のインスタレーションだから、記憶とカメラロールの写真をたどって脳内再生)

色がなくて少し怖い感じの『じゃがいもを食べる人々』(1885年)から

このミレーぽいビジュアルの冬の荒野感のある厳しい雰囲気の作品(なんて言うのかなこれ。人のシルエットはめっちゃ落穂拾いだけど)が映ったて

その後どんどん芽吹いて、花が咲いて、色づいて広がっていくような印象のストーリー。

『秋のポプラ並木』 1884年
『ひまわり』1888年

季節感が後退して色づいていく。
ちなみにこの辺りから、有名な作品が怒涛のように押し寄せてくる中で

流れていたのはスメタナ『モルダウ』
感動でふるえる

『アイリスの咲くアルルの風景』?1888年
『ポピー畑』?1890年

このへん抽象的過ぎて作品の分別がつかなかった。
転換シーンかな?鮮やかな抽象画みたいで素敵。

『花咲くアーモンドの木の枝』1890年

弟テオの息子の誕生を祝って描いた絵。
ゴッホはこの歳に亡くなっている。

壁紙のパターンとしても人気で、インテリアとしても馴染み深い作品。
原画はくすんだブルーの背景ですが、背景が何色になっても美しい作品ですね。

こんな風に極彩色にすると、着物にしても映える感じする。

それから、『ポピー畑』のところでも書きましたが、作品と作品の継ぎ目の映像が、印象画と抽象画の間みたいなムードでとても魅力的でした。

『オリーブの林』1889
転換シーン?
『星月夜』1889年

調べてもこんな雰囲気の絵はゴッホの作品に見つからなかったので、これはたぶんこのインスタレーションをつくったアートディレクターの作品かな。

『ローヌ川の星月夜』1888年
『サン=レミのサン=ポール病院の廊下』1889年

あまりに見惚れていて撮りそびれてしまったのですが、この2つの作品↑の転換シーンが一番印象的でした。2つの作品をコラージュし、”廊下”のアーチの向こう側をぜんぶ”ローヌ川”にしたような映像が間に流れたんです。

写真だと分からないけど、この”ローヌ川”の水面は絶えず揺らめいていて、その揺らめきが徐々に凪ぎながら、だんだんとやがて”廊下”の赤と壁天井面の黄色に染まっていくのが流麗で、息を飲むような美しさでした。

これもサン=ポール病院かな?

最後はこの絵でした。

サン=ポール病院は、1889年5月から1890年5月までゴッホが精神科治療を受けた修道院病院。

ゴッホはここで、『アイリス』、『刈り入れする人のいる麦畑』、『星降る夜』、『オリーブの林』など、約100点の絵画と150点の描画を制作したそうです。

それを知って、先ほどの、この病院の廊下のアーチの向こう側に臨むローヌ川のインスタレーションを思うと、ゴッホが最期のとき窓の外に見ていた追憶の情景そのもののように感じて、胸が苦しくなりました。

去年の7月の終わり、閉館間際の世田谷美術館のアートライブラリーで、1冊のゴッホの本に出会いました。

ふと手にとって開いてみると、彼の人生があまりに激しく絶望と理想に彩られてて壮絶で。数分文字でたどっただけなのに、まるでその情動が流れ込んできたみたいに涙がどっと溢れてきて

公園のベンチでしばらく嗚咽する。という経験をしました笑。

森の中にある美術館で、セミがたくさん泣いてたけど、私の嗚咽の方がだいぶ響いてた🤣
企画展示もみたのに、よっぽどゴッホの人生の方が胸に刺さったので、展示の内容覚えてません笑。

あの日は怖いくらい大きな水瓶座の満月で、今日も水瓶座の満月。

水瓶座の満月のたび、ゴッホに引き寄せられてるな🌕


アートを体験するイマーシブアートインスタレーション

このデジタルゴッホ展は、イマーシブアートインスタレーション(体験型デジタルアート)の先駆者であるイタリアのアートディレクター、ジャンフランコ・イアヌッツィによるもの。

ゴッホの作品が素晴らしいのはもちろん、このインスタレーションの全体的な色彩のトーンや、音楽の選曲&映像との絡み方、それから作品ごとの転換シーンがおもしろくて素敵だったので、ジャンフランコさんの作品をもっと他にもみてみたいなと思いました^^

セザンヌ、モネ、シャガール、ダリ、ピカソ 、クリムトなど、、他にもたくさん展開されているので、ぜひ行きたい。

日本に来てくれるといいな。

ゴッホ
×
ジャンフランコ・イアヌッツィ
×
私(× 隈研吾🤣)

のコラボレーション体験みたいなインスタレーションだった。
本当におもしろかったです🤗

皆さんもぜひ行ってみてね✨

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