高さ8mの本の壁!角川の『本棚劇場』

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こんにちは。インテリアデザイナーの小林由梨奈です。

角川武蔵野ミュージアムに行ってきました^^

ミュージアムの入っているところざわサクラタウン

パノラマで撮ったら湾曲してドームみたい笑。

ラスベガスでやっているのをみて日本にきたら行ってみたいなと思っていたデジタルのゴッホ展と、インスタで見つけたおもしろい「本棚劇場」が、両方とも同じ角川武蔵野ミュージアムで体験できることが分かって、早速行ってきました✨

デジタルゴッホ展のレポートはこちら↓

角川の夏の文庫フェアとか、集英社のナツイチとか、夏といえば本って感じ。

季節に関係なくふいに思い出したように没頭して本を読む子供だったけど、夏はとくに夏休みでまとまった時間がとれるから、本の中の世界に長い時間いた記憶があるからかな。

カンカン照りの太陽の光を窓の外に感じながら、クーラーのきいた部屋で架空の世界に潜り込む感じ。

そんな子どもの頃の夏休みに戻ったみたいな、現実とファンタジーの思い出の蘇る時間でした^^


高さ8mの本の壁!すごいインパクトの「本棚劇場」

角川武蔵野ミュージアムは、巨大な岩の塊のような外観をした、窓のない多面体の不思議なヴィジュアルの美術館。

5階建ての建物の中には、ラノベ図書館やアニメミュージアム、現代アートと人々をつなぐエリアなど、従来の展示鑑賞型の美術館としての楽しみ方を超えた、”想像”と”連想”と”空想”を混ぜ合わせて探究心を満たしていくような体験のできる新感覚のミュージアム。

中でも圧巻なのが、高さ約8メートルの巨大本棚に囲まれたこちらの図書空間。

165cmの私がこのサイズ感になる本棚🤗
すごく古くて貴重そうな色々な全集たち

ここにはKADOKAWAの出版物のほか、創立者の角川源義、文芸評論家の山本健吉、歴史学者の竹内理三、言語学者の外間守善らの個人文庫など約30,000冊が配架されています。

またこの本棚に映像を投影し、本の内容が表紙の外に飛び出してくるようなプロジェクションマッピングも上映しています。

「本と遊び、本と交わる」のコンセプトでやっていて、この日は「文豪ストレイドッグス」というアニメ作品のキャラクターが、ミステリアスな音楽とともに印象的にマッピングされていました^^

このアニメはよく知らないのですが、映像と音楽はとてもカッコ良かったです^^

この中2ぽい感じが、やっぱり私はどうしても子供の頃から好きだし笑
何より実は明治文学がすごく好きで、作家の名前とタイトル目にするだけで心臓がぐぃっとなるんです。。

夏目漱石も欲しかったな。

うまく言えないけど、めちゃくちゃ夏を感じる時間だった。
何十年か後になっても、ここでみた映像は、今日の風の匂いや陽射しの強さや空の色と一緒に胸に焼きついて、夏がくるたび懐かしく思い出すんだとおもう。


「エディットタウン」一期一会の本との出会い

本棚劇場に隣接するのは、「本の街」。ミュージアムの館長の松岡正剛の監修のもと、25,000冊の本が約50メートルの通りにアクティブに配架されています。

本がまるで生き物のように(本当に本は生きている)生息している、森の中にいるような感じ。

本って、ただそこにあるだけで雄弁じゃないですか。1冊1冊、美しかったり奇抜だったりひどく憂鬱だったりユニークな装丁をして、表紙や背表紙に書かれた言葉で強く人の心を惹いて、「私を選んで」って語りかけてきますよね🤗

だからすごく賑やかな森にいる気分ですよ🌳
さらにディスプレイも創意工夫に満ちてるから、踊るように誘いかけてくる🎵

ここにある本は、「世界を読み解くための9つの文脈」で並べられていて

「個性で勝負する」
”ミネラル幻想”?笑
”グレートスモーカー”、”ひとりっ子”

透明のボックスがその9つの文脈で、グレーのボックスが小分類なのかな?
おもしろいのがいっぱいありました^^

”ひとりっ子”のコーナーに村上春樹のいろんな本があって。

私ライトハルキストなので、『村上春樹語辞典』、気になって開いてみたら

あとサンドイッチとビール、よく出てくる笑
日常化したものがふと消えてなくなりがち。主に女

村上春樹の作品って、
ゆるゆるとそこはかとなく損なわれていく感じ
生まれた瞬間から死に向かって走っている、人間そのものみたいに

生み出すことじゃなく
失うことこそが、”生きる”ということなのかも

当たり前のものはなくて
意味のありそうなものにもじつはそんなに意味はない

登場人物はみんな表向き善良な常識人で
だけど実際めっちゃ不思議で、どうやって生きてるのか曖昧な感じ

明日もし自分が消えてなくなって
今自分がやっていることや、これまでやってきたことが
こんな風に文字になって、誰かに読まれることがあれば

私の人生もこんな風に、ずっと「何かを損なって」いて
ずっと「どうやって生きてるのか曖昧」で
でも生きるってそういうことだよな、という風に、読み手に納得されるのかな

物語も人物も、理解できるようでどこかすごく掴めない感じなのに
あらゆる読み手の人たちに「これは私の物語なのかも」と思わせる雰囲気がある

それで読んでいて癒されるんです。なんでだろう。

村上春樹はデビュー作からたくさん読んだけど、一番何度も読み返したのは「スプートニクの恋人」。
夏になるたび読みたくなる作品。

あ、あと”ドーナツの穴”って言ったら、2017年1月クールのTBSドラマ『カルテット』の4人を思い出します🎵

あのドラマ本当に好き。

アーノルド・ノーベル!
小2の国語の教科書の「ふたりはともだち」の人だ。この挿絵もめちゃくちゃ覚えています^^

小学校の低学年の頃って、他に覚えることないから(笑)、気付いたら国語の教科書を最初から最後まで物語ぶっ通しで丸暗記して、ひたすら呪文のように唱えてました。ジャングルジムの上で笑。変な子供。

高学年からはラルクを推し始めたので、もっぱらその歌詞を丸暗記🎵 暗記というより細胞レベルで染み付いてて、今でもほとんど全曲スラスラ歌えます😋

一緒に行った人が本なんて滅多に読まない人で、それなのに気に入った本があったのか、珍しく座り込んで本を読んでいたので、面白くて後ろから斜め後ろからパシャパシャ隠し撮りしてたんですよ。

そしたら後ろの正面に「数学をつくった人」コーナーがあって、これが今日私にとって一番の一期一会の本との出会いになりました。

タイトルが興味深すぎる
満ちてくる海=自分の数学の性格

アレクサンドル・グロタンディークさんの3部作「数学者の孤独な冒険」「数学と裸の王様」「ある夢と数学の埋葬」。

アレクサンドル・グロタンディークさんは数学者で、何をした人なのかwikipediaで調べてみたけど難しすぎて全然意味がわからなかったのですが笑

タイトルがめっちゃ刺さって、開いてみたら冒頭からめちゃくちゃおもしろいんです。世の中の見方、物事の捉え方、探究心の強さ、異常なまでに常識を疑い創造への道を拓いていく姿勢、、、

そういうのがとても心地よくて、惹かれて、読み進めていました。

読みながら、「絶対この人、個人天体と天王星・海王星がスクエアか合やわ。。」と思ったので、帰ってチャートを出してみたら、水瓶座の火星と獅子座の海王星がスクエア、太陽天王星が牡羊座の初期度数で合🤗

さらに魚座で合の水星金星に、蟹座冥王星が水のトライン。この冥王星に、オーブ広めで月が合。
なんとすべての個人天体がトランスサタニアン(天海冥)とアスペクトとってた🤣

ホロスコープを知らない人にはピンと来ないと思いますが、偉業を成した数学者がこの配置を持っていることに、宇宙の神秘を感じてしまうような、美しい世界が見えます。神々の悪戯。

なんというか、数学を芸術にように捉えて、それを多くの人が受け入れやすい心地いい表現で人々に伝えることのできるような、そのために命を与えられたような、緻密で理路整然として美しく、革新的でドラマチックな力強いパワーを感じる。

満ちてくる海=自分の数学の性格
この表現の彼らしさに、あらためて胸を打たれました。

どおりで、数学に芸術的な魅力を感じている私が、見過ごすわけにいかない異彩を放ってたはずだ。

ここに来なければ絶対に出会ってなかった人と作品だと思う。
館長さんありがとう^^!

世界は本。そして、本は世界
計算づくの、”抜け感”大事
館長の松岡正剛さん。イメージでいっぱい

実は今読みたい本、この夏読もうと思ってる本が2冊あって、手元にあるのに全然手をつけられてない状態。他のことに気が散りすぎて笑。

読もう。


隈研吾設計の角川武蔵野ミュージアム

この建物、あらためて見ても不思議。

実はこの裏に浅いインフィニティプールもあって、夏休みの子供たちで賑わってました。

全体的に不思議なムードが漂ってるのは、形状の問題だけじゃなく、人があんまりいないように見える構造になっているところかなと思うんですね。

まず窓がないし、この向かいに飲食店やホテル、オフィスの入った建物があるのですが、そちらもほとんど窓がなくて、そういう商業施設特有の、中が人で賑わってる様子を極力見せないような設計になっているので、凄く”しん”としてるんです。

外から見た時あまりに閑散としてたので、駐車場が満車だったのはめちゃくちゃびっくりしました。

全然人がいないでしょう?
(カラオケの映像に出てきそう。)

でも実は、中にたくさんいるんです笑
1階に入っている飲食店ですら、中で人が食事している様子がほとんど見えない設計なので、まず店をやっているのかどうか、何食レストランなのか、内装はどんな感じなのか、料理も店のグレード感も全く分からない。さらに、飲食店同士が屋内廊下で行き来できる構造にもなっていないので、暑い中(冬は寒い中)、わずかな情報を辿って外から当たりをつけて、店を覗いて入店する。という動きをすることになります。

しかもレストランが少ない🤣
まわりに何にもないのに、これじゃ飢えちゃう笑

外観とミュージアムのコンセプト&世界観ファーストでつくっていて、来館者の巡りやすさの観点ではまだこれから改善の余白がいっぱいあるなという印象を受けました^^

サウジアラビアの”THE LINE”構想に通じるものを感じた。

すっきりしていて綺麗だけど、それで本当に生活はゆたかになるのかな?

ちょっと怖い感じがします。

また長くなったので、『ファン・ゴッホ ー僕には世界がこう見えるー』展のレポートは次のブログでご紹介します^^


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