海外インテリアで人気の織物壁紙の魅力 工場見学レポート^^
こんにちは。
インテリアデザイナーの小林由梨奈です。
織物壁紙・織物ふすまをつくられている、小嶋織物の工場を見学させていただきました^^!
高校の頃よく一緒にライブ行ったりしてた友達の、お父様が三代目をお務めになっている会社。
友達は四代目見習いとして日々頑張っています^^
ずっと会ってなかったけど、突然の工場見学のお願いを快諾してくれて、たくさん丁寧に紹介してくれてとても楽しかった♪
織物壁紙をつくる工程や、感じた魅力について、まとめてみました。
織物壁紙って?
皆さん、織物壁紙って聞いたことありますか?
紙の上に織物を貼り合わせた壁紙で、壁に貼るとこんな風に↓
(↑小嶋織物で生産している商品。テシードで扱っているMUSK(ムスク)というコレクションのもの)
テクスチャと少し重厚感のある、リッチな印象の空間に仕上げることができます。
日本ではビニルクロスが壁紙市場の99%を占めていますが、欧米では(環境にもよくないので)ビニルクロスを使う事はなく、紙クロスや塗装で壁を仕上げるのが一般的。
中でも織物壁紙は、和のテイストが好きな人や、アクセントウォールに異素材のものを使って個性的な空間をつくりたいというようなニーズにマッチしていて、海外でも人気だそうです。
小嶋織物でも、海外輸出製品が年々増えているらしく
出荷待ちの倉庫には、アメリカのPHILLIP JEFFRIESや、輸入壁紙を扱うトミタなど
ここから海を越えて遠くへ飛び立つ織物壁紙がたくさん並んでいました^^
一度海外に輸出してから、トミタやテシードなど日本の企業が逆輸入して日本に入荷する商品もあるそう。
ビニルクロスが普及しすぎた日本ならではの、もったいないような気もする流通経路です。
しかし、日本でもサンゲツ、リリカラ、シンコールなど、高級ラインの方で一部織物壁紙を取り扱っているらしく
日本企業にも、こんな素敵な織物壁紙を出荷していました^^
(写真はいずれもサンゲツのもの↑)
織物壁紙をつくる工程
工場がめちゃくちゃ広くて、いろんな機械がカタカタずーっと稼働してたくさんの織物壁紙をつくっていました。
まずこれは、経糸を紡いでいるところ↓
こんな感じに仕上がって出てくる↓
こちらは緯糸を入れて織っているところ↓
こんな風にランダムに模様を入れることも↓
先染め(染めた糸で織る手法)で織っていて、
こちらの機械↓で下にあるような3色の糸を撚り合わせた糸をつくり
その糸で織ると、こんな風に↓
複雑な色を織り上げることができます。
こんな風にデザインを入れたり↓
レーヨンや綿、麻、紙糸を経糸と緯糸に組み合わせて織って、色・素材・デザインを構成していきます。
こちらは短いロットの商品をつくるとき用の機械↓
海外に輸出する商品は、サンゲツなどの国内メーカーのものよりもロットが小さいため、このように別の機械でつくるそうです。
たしかに、国内メーカーの壁紙ってメーター売りだけど、輸入壁紙って●本ロット売りなので、つくる工程からこのようにして違うんだなと思いました。
そしてできた織物は、人の目で一つ一つ検品↓
検反という工程。
ここで規定に満たないものは、もう一度必要な工程まで戻して織りなおすそうです。
流石の日本品質☆
海外のお客様が見学にいらした際も、ここが一番びっくりしたり、感動したりするそう^^
それからこちらはできた織物の下に紙を貼り合わせて壁紙に仕上げる機械↓
そして最後にこちらの機械で↓
不燃加工など、建築基準法で定められた基準を満たすための加工が施され、織物壁紙が完成します。
特殊な機械でつくった特注織物壁紙
ホテルや店舗など、特注のオーダーもよく入ってくるそうで、楽しい織物壁紙をいっぱいつくっていました^^
2022年1月に開業した星のリゾートの「界 ポロト」からのオーダーで特注生産した織物壁紙↓
座敷のようなデザイン(左)と、独特の世界観のある文様(右)
いずれもホテルのコンセプトである”アイヌ”を表現したもの
こちらは先染めではなく、織った後にこのプリンター↓でプリントしたそうです。
こんなおっきいプリンター、初めて見ました。
マゼンダ、シアン、イエローのほか、LM(ライトマゼンダ)とLC(ライトシアン)のカートリッジがあった。
ホテルサイトのトップページで施工実態を発見しました^^
こちらの部屋のテレビ下と↓
こちらの部屋のアクセントクロスに使われていますね↓
白木の使い方が素敵
サンとアシタカが住んでそう^^
行ってみたい♡
それからプリンターよりもっと大きいこちらの機械では、レーザーカットでいろんな形がくり抜けて
青海波などの古典柄からモダンなデザインまで、壁紙に実現されていました。
でもとっても特殊なので、メインで展開する商品には今のところこの技術は使っていないそうです。
あとは織物の上にさらにリボン織を装飾したり
こちらは特注で、伝統工芸の和紙(手前の生成りっぽい色の)を壁紙にするため
職人さんが3人がかりで試行錯誤している様子
人と機械が力を合わせて、こうしてユニークな織物壁紙がつくられていくんですね♪
コラボレーションや京の町をイメージした織物壁紙も
他にも、様々なコラボレーションや企画で、魅力的な商品をたくさんつくられていました^^
まずこちらが、冒頭でご紹介したMUSK(ムスク)というコレクション
こちらはLIGHT CUBE WALLCOVERINGさんとのコラボレーションによるデザイン
それからサンゲツでは、隈研吾とのコラボラインでの商品開発もされていま
こういうのって、実際は工場の方や職人さんがデザインしているんですよね
こちらは友人のお父様によるデザイン★
父親が内装材のデザインをしているって、かっこいいな^^
それから私が特に素敵♡と思ったのが、京都の町からインスピレーションを得た小嶋織物のオリジナルファクトリーブランド KYOTO IZUMI WALL COVERING COLLECTION↓
祇園、花見小路、錦、御室、北白川、鞍馬、、、
馴染みのある町の名前ばかりで、幼い頃や学生の頃にみたいろいろな景色や香りや思い出と重なって、キュンとする
見ているだけで、どこに使おうかワクワクしちゃいますね><♡
あともう廃盤だけど、まだ在庫はあるらしいこちらの↓
壁にチョコレート垂れかけたみたいなデザインがすごく好きで、アートとして飾りたいな♡
(チョコレートみたいなのはリボン織だそうです)
こんなにたくさん見せていただいて、すっかりファンになりました^^
こういう、たくさんの人の力が合わさってつくり上げられたものって、見ただけでその思いや力の大きさが伝わってきて好きなのですが、つくる工程をみせていただくと、いっそう愛着が湧いてきます。
和モダンな空間や、アクセントやアートに織物の素材感を取り入れたインテリアプランニングをするとき、これからぜひ取り入れていきたいです。
皆さんもぜひ、次に家を建てたりリノベーションしたりする時は、一回ビニルクロスをやめて
こういう大切につくられた、素敵なデザインで、地球環境にもやさしいような壁紙のことを思い出してみてくださいね♡
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