憧れのウィーン エリザベートの生きた風景
皆さま、こんにちは。
イメージコンサルタントの小林由梨奈です。
太陽が天秤座に入って、すっかり秋めいてきたのと、少し涼しくて、斜めから射す陽射しも風情で心地よく、海風の香りもほのかに大人びたような、鎌倉の新しい季節を感じています。
9月の中旬、太陽が乙女座の終わりを通過する頃に、ウィーンに行ってきました。
ずっと憧れだったウィーン。
11歳の時にはじめて宝塚の初演の『エリザベート』を観てから、20年間ずーーーーっと行きたかったんです。
この20年間で、いくつかのヨーロッパの国々と、いくつかの北米やアジアの国や地域を旅しましたが、思いが大きすぎてなかなか旅先の選択肢にすらあげてこなかったウィーン。
なにか特別なタイミングで、運命的な理由によって、引き寄せられるようにしてたどり着いてみたかったんです。ウィーン。
そしてその時が今月、満を持して、木星が連れてきた最後のご褒美(木星はこの1年で本当にたくさんの課題と可能性を私に蒔きました。)のように、完璧なシチュエーションで私に訪れました。
自由を求めて彷徨いつづけたオーストリア皇后 エリザベート
ウィーンって、私が思っていた以上に”エリザベート”を観光の全面に押し出している街でした。
ホテルの部屋にも
芸術家たちの足しげく通ったカフェ『central』のメニューにも
シシィ(Sisi)とはエリザベートの幼少の頃の呼び名。
とにかくいたるところに、『エリザベート』が出てくる。生前はその奔放でぶっ飛んだ生き方のために臣民から白い目で見られていた彼女ですが、暗殺されてからはむしろその美貌と強さ繊細さの方をことさらに取り上げたプロモーションによって好感度をぐんと上げ、いまでは見事にオーストリアのほこる観光資源の王座に君臨しています。
宮廷での堅苦しく不自由な生活に耐えきれず、夫(皇帝フランツヨーゼフです)も子供もほったらかして世界中を旅し続け、オーストリア皇后でありながらほとんどウィーンに寄り付かなかったエリザベート。
理解のある夫フランツヨーゼフの深い愛によって、異国のいくつかの島などに自分のためだけの屋敷をかまえるのですが、(帰ってこない妻に対してものすごい手厚いサポートです)どこにも落ち着かず、またどこか、別の安らげる場所を求めて彷徨い続ける。
だけどどの港にも、どの屋敷にも心の休まる場所はなく、いつも死に憧れていて、ついにはイタリア人アナーキストに暗殺されてしまいます。
刺された胸を、もう一度暗殺者に向けて差し出したと言われています。安らかな微笑みをたたえて。まるで死を待ち望んでいて、その時がきたことを安堵するかのように、、、
と、いうのがミュージカル『エリザベート』で表現されていることで、私の知っている彼女についてのすべてです。あまり歴史が好きじゃないので、20年間もあったのに11歳の時から情報量変わってないんですね。笑
1898年の9月に暗殺されたエリザベート。119年前の、今と同じ季節です。
あと100年くらい後に生まれていたら、もう少し人生を楽しめたかもしれない。当時の女性としては異質だったのと、ハプスブルクも終焉を迎える時期だったので、宮廷のしきたりもプライベートのなくなることも、ただ窮屈なだけで夢も希望もない無駄な拷問のように、繊細な彼女は感じていたのかもしれません。
彼女の歴史は死後100年経った1998年にミュージカル化され、素晴らしい楽曲とともに世界中のファンに愛されて何度も再演され、根強い人気を博する偉大な作品となりました。
私も、初めて観た時から今までにいろんなことが起こりましたが、その時々に彼女に対する思いの形に変化はあれど、ずっとこれから先も、私にとって特別な存在であることに変わりはないように感じています。
ハプスブルクとフランツヨーゼフ1世
ハプスブルク家640年の居城、ホーフブルク王宮は素晴らしいお城でした。
誰がこんなに使うの。どんだけ来賓いらっしゃるの。本当に必要なの??
と思うくらい、贅の限りを尽くした食器類の数々。質も量も、半端なものじゃなかったです。
世界中の皇族が集まるような晩餐会もきっと頻繁にあったでしょうから、普通にこれくらい必要なのかもしれないけど。まったく現代の日本の庶民からみたら不思議な光景でした。圧倒されました。
それから、写真は撮らせてもらえないけれど、フランツヨーゼフが公務をしていたお部屋やエリザベートの寝室・化粧室など、2階の2辺のお部屋をすべて、見てまわることができました。
お部屋を見ているだけで、フランツの、質素で倹約で、臣民のために実直に真摯に公務を全うする姿が目に浮かんで、思わず涙が溢れました。朝4時に起きて、5時から閲見をはじめ、深夜に渡る公務を毎日。身分や職位に関わらず公募で選ばれた臣民たちと直接顔を合わせ、彼らの声を聞いて政治に反映していたらしいです。
朝5時から深夜までですから、すべての食事が公務室の中。寝室のベッドも壁紙も異常に質素で(エリザベートのが華美だったのでその差が強調されていました)、いずれの部屋にもエリザベートや子供たちの写真がたくさん飾られていました。
その中でも、エリザベートの写真がひと際大きく、多いんですね。
どんだけ好きなの!もう!
とにかく、ミュージカルでは主役のトート(死)に華を持たせるためにもの凄いダメ男のマザコンのロリコンみたいに描かれているフランツで、まるで魅力を感じていませんでしたが、この日を境にまったく見方が変わりました。
フランツ素敵☆
ちょっといくらなんでも激務過ぎるのが玉に傷だけどね。
王宮の庭園はとても広くて、温室のビニールハウスがレストランになっていました。
ここはとても気に入って、最初の日と最後の日に2回ランチしました。
食後は庭に寝転がって、ごろごろ。
強い陽射しを受ける、ノイエブルクがかっこいい。
秋の空は高くて澄んでいて、とても気持ちいいですね。ずっとそうしていたかった。
はじめてのオペラ『フィガロの結婚』むずかしい。
せっかくウィーンに来たので、オペラを観ました。
想像以上に難しかったです。
お話の内容は字幕で分かるのだけど、楽しみ方が難しかった。知らない曲がほとんどだし、ドイツ語だと思ってたらイタリア語だったみたいだけど、いずれにせよ言葉が分からなくて直接心に入ってくる感じがしなくて。
私はやっぱり音じゃなくて、言葉で世界を感じている人間なんだなと実感しました。
三菱地所をみにいこう♪みたいな写真がとれました笑
世界で一番美しい湖 ハルシュタット
ウィーンから車で3時間半くらい。世界で一番美しい、世界遺産の湖、ハルシュタットです。
雨が振っていて、朝ももやがたっぷりかかっていたのですが、それはそれでとっても幻想的で、やはり美しい湖でした。
トンネルを抜けないとたどり着けなくて、そのトンネルの途中に駐車場があります。
うまくたどり着けなくて、何度も行ったりきたりしました。笑
桃源郷のような場所。
森や湖をいくつも越えてゆくのですが、その道のりの景色が1998年の頃のラルクの世界観ど真ん中で。
なんとなーく、ずっと車内でラルクを熱唱してたのですが、途中からそのハマりぶりに感激!”ハートに火をつけろ”の時の”forbidden lover”、”LORELEY”、”winter fall”あたりの曲。歌うのに気持ちよすぎる風景だった。
hydeもきっと、こんな景色を眺めながら曲をつくったんだろうな。
お部屋はグリーンと木が基調で、
窓からの景色。朝日が登る寸前の湖は、深い静寂に包まれていて
日がすっかり登りきると、晴れない空のせいで哀愁たっぷりな風合いになりました。
そして建物がどれも可愛くて、街並みがとってもキュートなんです。
京都もこれくらい振り切ってやればいいのにと思う気持ちと、いやそれでは住むに不便だろうと思う気持ちとの、せめぎ合い。
トンネルを抜けて湖畔にたどり着くと、それまでのラルクとは少し変わって、hydeのソロ楽曲の世界観。
この旅は、エリザベートと言いラルクと言い、10代の頃の私が獲得していった、今の私の感性を形づくる源になったものたちをたどっていくような旅でした。
たとえようのない、美しい色。
ビリジアンのような、ネイビーブルーのような。
帰り際には雨も上がって、深い情緒を感じる青色の湖面に山々の景色がそっくりそのまま映し出され、鏡のように煌めいていました。
これで虹までかかってくれたら、もう本当に最高でした。
あと、塩坑に入ってトロッコにも乗りました。
塩ってこんな風にして地中に形成されるのか。宇宙と大地の神秘と偉大さを感じて、怖くなりました。暗いし、わくわくとドキドキと、あと寒いし。天然自然のアトラクションって初めてで、興奮しっぱなしでした。
また行きたいなハルシュタット。
だけどシチリアのタオルミーナと同じで、何しろいろんなものを乗り継がないと行けないから、なかなか2度目はないのかもしれない。
だけど行きたいです。
世界一美しい図書館と、オリジナルのザッハトルテ
世界一美しいものがたくさんあるウィーン。
こんなに美しいと、おちおち落ち着いて読書もできなさそうです。
天井のフラスコ画が素晴らしかった。だって、天井ばっかり観てないといけないから、首が辛いし。天井を向いてたら読書なんてできないですね。
上の方にある本は梯子に登らないと取れないけど、梯子は使ってはいけなそうな雰囲気でした。
だからもう、図書館というより、博物館でした。
旅の最後に、ザッハトルテ発祥の地”ホテル・ザッハ”で、オリジナルのザッハトルテを♪
ふわふわのホイップに包まれた甘くてほろ苦いビターチョコのケーキ♡
とーっても、美味しかったです☆
もっとたくさん、いろんなところに行っていーーっぱい写真を撮ったのですが、旅中にインスタにアップしていた写真をもとに、オーストリアの魅力をお伝えしました。
それでもすごい文字数。
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